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作成者:Digital Surf、SEMアプリケーション担当プロダクトマネージャー、Benoit Zupancic

 

走査型電子顕微鏡は、光学顕微鏡では捉えられないほど微細な表面のディテールを明らかにできる、優れたイメージングツールです。しかし、SEM画像は2次元です:コントラストや形態は示されますが、直接測定可能なトポグラフィは得られません。

ステレオペア再構築によって、この見方が変わります。

異なる傾斜角で取得した2枚のSEM画像を組み合わせることで、実際の3D表面を再構築し、高さ、深さ、粗さ、勾配角などを定量的に測定できます。この手法の考え方は次第に広く知られるようになっていますが、多くのSEMユーザーにとって、重要な疑問が1つ残っています:

再構築したSEMトポグラフィの高さ値は信頼できるのでしょうか?

フェムト秒レーザーで加工した金属試料を用いて最近実施された比較試験が、この問いに説得力のある答えを示しています。

SEMステレオペア再構築と表面形状測定装置による測定の比較

FEMTO Engineering研究所(フランス、ブザンソン)から、レーザー加工された金属構造物について取得した複数のデータセットが提供されました。同じ形状を、以下の方法で測定しました:

  • 走査型電子顕微鏡、およびMountainsSEM®ソフトウェアを使用したSEM画像のステレオペア再構築
  • 機械式表面形状測定装置(Bruker Dektak XT)

目的はシンプルです:再構築した3D測定値を、基準となる表面形状測定データと比較します。

3種類の形状について評価しました:

  1. 穴部の深さの測定
  2. 緩やかな勾配の測定
  3. 急勾配の測定

その結果、極めて高い一致が確認されました。

例1 – レーザー加工した穴部の深さの測定

最初の試料では、レーザー加工部の深さを、再構築したSEM表面と表面形状測定装置の両方で測定しました。

2つの測定値の差は、わずか1 µmでした。

この結果から、ステレオペア再構築を使用すれば、追加の表面形状測定装置を使用することなく、SEM画像から直接、信頼性の高い定量的な深さ情報を得られることがわかります。

 

 

例2 – 緩やかな勾配の測定

2つ目の例では、緩やかに傾斜した表面を測定しました。

ここでも、測定結果は非常によく一致しています。

再構築した表面は視覚的にも明瞭で整合性が高く、抽出された寸法値も表面形状測定装置による測定値と一致しています。これは、レーザーテクスチャリング、微細加工、コーティング、摩耗解析など、勾配情報が高さデータと同じくらい重要になる用途では特に重要です。

例3 – 急勾配の測定

3つ目のデータセットでは、SEM再構築のもう1つの利点が明らかになりました。

深さの値は、どちらの方法でも一貫していました。しかし、表面形状測定装置では、急勾配の形状を正確にたどることが困難でした。

その理由は物理的な制約にあります:表面形状測定装置のスタイラスチップには一定の大きさがあるため、非常に急な側壁には正確に届きません。この場合、測定される勾配角に歪みが生じます。

SEMステレオペア再構築には、このような機械的な制約がありません。

画像情報から直接トポグラフィを再構築するため、急勾配の形状では、接触式の表面形状測定よりも忠実に形状を評価できる場合があります。

SEMユーザーにとってなぜ重要か

多くのSEMユーザーは、すでに3D解析に必要なデータを取得していながら、そのことに気づいていない可能性があります。

傾斜させて取得したわずか2枚のSEM画像があれば、ステレオペア再構築によって、従来のSEM測定データを定量的なトポグラフィデータセットに変換できます。これにより、次のことが可能になります:

  • 深さ、高さ、体積の測定
  • 勾配や複雑な形状の解析
  • レーザーテクスチャリングや微細加工の評価
  • 摩耗、欠陥、表面損傷の評価
  • 追加のハードウェアを使用せずに3D情報を取得

すでにSEMイメージングを利用している研究所にとって、これは既存のワークフローからより多くの価値を引き出すための強力な手段となります。

イメージングから定量的な表面解析へ

表面形状測定装置による測定との比較から、SEMステレオペア再構築では、視覚的に説得力のある結果が得られるだけでなく、定量計測に有効な結果も得られることがわかります。

多くの用途では、SEM画像を定性的な情報としてのみ扱う必要はもうありません。

MountainsSEM®ソフトウェアのステレオペア再構築を使用することで、SEM画像を測定可能な3D表面に変換できます。

 

本記事の作成にあたり、ご協力と専門的な知見、ご支援をいただいたFEMTO Engineeringのチームの皆様に、Digital Surf より感謝申し上げます。

 

 


Author : Benoit Zupancic