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地質サンプルの顕微鏡法特性評価の完全な実施は非常に複雑になりがちですが、鉱物相の空間分布や含有物の構成に関連した研究では特にその傾向がみられます。 単一の装置を使ってマイクロまたはナノレベルでの元素的、化学的、構造的な変異を観察することは困難です。 物質の性質を理解するには複数の技術による評価が必要です。 Horiba ScientificとJEOL Europeのアプリケーションエキスパートは近年、黄鉄鉱サンプルとその周辺物質の包括的な解析を実施するために、ある装置と別の装置の間の特定の領域を正確に再局在化するための技術を紹介しました。

イントロダクション

黄鉄鉱は、明るい金属光沢のある黄銅鉱石です。 その化学的成分には硫化鉄(FeS2)が含まれており、最も一般的な硫化鉱物です。 黄鉄鉱の厳選されたサンプルはクリソタイル鉱脈と蛇紋岩メタアルコースが交差する地点で見ることができます。 このタイプの変成岩は、海水と地球のマントルを形成する岩であるかんらん岩との相互作用の結果として形成されます。

画像処理技術

ラマン光学顕微鏡やエネルギー分散分光法(EDS)を含む走査型電子顕微鏡(SEM)は、フランスの地球科学アプリケーションの公共機関であるBRGM研究所によって提供されたサンプルを研究するために使用されていました。 これらの装置の特異性と高い空間解像度のおかげで、これらの技術それぞれが鉱物調査のための極めて重要な情報を明らかにしてくれています。

ラマン光学顕微鏡は物質の化学成分と原子構造、ならびにさまざまな鉱物相の特性評価を実行できます。 SEMでは、二次電子(SE)がサンプルの細かいトポグラフィー構造を映し出し、後方散乱電子(BSE)がサンプル表面の成分分布を映し出し、EDSはサンプルに含まれる元素を識別するために使用されます。

この相関顕微鏡による研究の重要なポイントは、SEMとラマン光学顕微鏡を使ってサンプル上の同じ特定領域の測定を成功させることでした。 この試みは、異なる装置間での正確な再局在化(navYXTM)、ならびに同じ座標系でのマルチモーダルマップを位置決めするためのソフトウェア(Mountains®テクノロジーを元にしたgraphYXTM)を提供するHoriba nanoGPS SuiteTMのおかげで達成できました。

上。 研究に使用された装置技術: HORIBA LabRAM SoleilTMラマン工学顕微鏡とHORIBA F-CLUEカソードルミネッセンス装置を抱き合わせたJEOLのIT800 SEMシステム。

結果

BSE画像処理は試料の化学的差異の簡単で、素早い可視化が可能ですが、化学的識別や特性評価はこの方法では実行できません。 したがって、サンプルに適用された最初の捕捉的技術はEDSマッピングでした。これにより元素の組成、分布、濃度に関する情報を取得することができます。 EDSが検知した化学元素それぞれの空間分布やその濃度を観察することができます。

その後サンプルはラマン光学顕微鏡の解析を実施するために、SEMチャンバーからラマン光学顕微鏡のモーター駆動ステージへ移されました。navYXTMテクノロジーは、対象ポイントの正確な再局在化を可能にし、ラマン光学顕微鏡の測定を同じ再局在化で行うことができます。 EDSとラマン解析の両方を使用することで、このサンプルの物質相の識別作業が成功し、EDS解析はラマンのデータベースとの合致結果を仕分けるのに役立ちました。 また、Al含有識別のためにカソードルミネッセンスも使用されました。

   

左上。 解析領域のSEM BSEの画像。 右上。 EDSおよびラマン光学顕微鏡図の罫線付き表示。

   

左上。 検知された元素を表示している共局在化されたEDS図。 右上。 局在化されたSEM画像およびラマン図の表示。 鱗鉄鉱と針鉄鉱がはっきり見える。

結論

EDSマッピングと関連させたラマン測定の結果により、黄銅鉱の周りの輪に含まれるさまざまな鉱物を識別することができました。 測定の共局在化によって研究領域の正確な元素学的および鉱物学的構成が明らかになりました。 特に、EDSマッピングのみでは識別することができなかった鱗鉄鉱と針鉄鉱という二つの同じ化学成分を持つ鉱物を、ロマン光学顕微鏡のおかげで見事に明らかにすることができました。 異なる技術の共局在化と捕捉情報が、これまで未解決であった試料についての完全な知識へと導いてくれます。

使用されたインスツルメントおよびソフトウェア

HORIBA LabRAM SoleilTMラマン工学顕微鏡とHORIBA F-CLUEカソードルミネッセンス装置を抱き合わせたMountainsSpectral®を元にしたJEOL + graphYXTMソフトウェアのIT800 SEMシステム。